「バンブーロッドメーキング講座」のご案内







  一人の男が、バンブーロッドビルドへ挑戦した。
 
 これは、その男の挑戦の記録です。

 Enohaでは、竿作りに興味がある方の為に

 随時受講を募集しております。
 
 お気軽にお問い合わせ下さい。


2023年ビルダー挑戦者の模様はメーキング講座2023



@4月13日 
 竹割り。長さ12フィート(3、6m)の竹を24本に割く。
 作りたい竿の長さに合わせてカット。寸法取りをする。
 竹の表と裏の節の部分を削り取る。
 節伸し。節の前後の曲りを矯正する。

A4月16日
 節伸し。

B4月21日
 節伸し。
 荒削り。木製の削り台を使い、大まかな三角形にする。

C4月25日
 荒削り。

D5月7日
 荒削り。

E5月11日
 荒削りを済ませたティップ6本、バット6本をバインダーで巻き留める。
 焼き入れ用のオーブンに入れ熱処理をする。
 プレーニングフォームにティップの削り幅のデータを設定する。
 仕上がり寸法のテーパーに合わせて、太めにテーパー削りをする。

F5月25日
 ティップテーパー削り。表皮にスクレイパーをかける。
 ティップ仕上げ削り。

G5月28日
 バットテーパー削り。表皮にスクレイパーをかける。
 バット仕上げ削り。

今回の挑戦者は福岡県在住の「桶川」さん。
Enohaのホームページを見て、この講座が開催されていることを
知ったそうです。
以前より竹竿作りには興味があって、これを機会に参加されました。
今回は桶川さんの希望で、Enohaの中でも特に細身の6‘6“#3  2ピースを
製作しようということで作業開始。

8日目にして、ティップ、バットを削り上げ、
それらの細さに改めて驚きと感動を覚えたそうです。
難関はこれからも続きます。それらをひとつひとつ乗り越えて、
その先を目指しましょう。




H 6月8日 
ティップ、バットの接着作業
長さ、およそ3、6mmの丸竹を割き、その後、様々な工程を経て
ティップ、バット各6本を削り上げ、それらをそれぞれ接着して
いよいよ「竿」になってゆきます。

しかし、この接着という作業は、バットはさておき、
ティップとなると、その先端部は、束ねたところで太さ1、5mmと
極めて細く、このバインダーという工具で、はたして締めることが
できるのだろうかと不安にならざるをえません。

それでも、この作業は竿作りに欠くことのできないもので、
慎重にさらに慎重に進めてゆきます。結果見事に成功で、
接着完了のティップ、バットを前にして、ホッと安堵の桶川さんです。

このあと、先に竿作りを始めた木下君がやって来て、桶川さんと
二人で記念写真ということになりました。

I 6月11日 
接着後の曲り・ネジレの修正、フェルール装着、コルクリング接着
前回、接着剤が乾く前にできる限り曲りネジレの修正をしておきましたので、
今回は思った以上スムーズに進みました。

やはり、接着作業後直ちに修正しておくことは大切なことだと実感しました。

次はフェルールの装着。
桶川さんの希望により、金具類はブラス・ガンブルーフィニッシュにしました。
ステップダウンのスリムなフェルールは「竿」にピッタリフィットします。

そして、コルクリングの接着です。
これで次回は、グリップ整形、さらに本体塗装です。

J 6月18日 

本体バット部に接着したコルクリングを、旋盤を使い整形。

6‘6“#3という小振りの竿に相応しいスリムなグリップが
出来上がりました。
早速、ガイド、リールシートを仮止めし、外に出てラインを
通して振ってみます。

思った通りのそれよりも思った以上の振り心地の良さに、
大層ご満悦の様子の桶川さんです。

次に本体下塗り塗装をする為、桶川さんの著名を記入。
さらに「Serendipity」とも書き加えました。

この「思いもよらなかった偶然がもたらす幸運」とは、
ご自身の心境を表した文字かと思ますが、
実は、竿の出来映えのよさに対して謙遜の気持ちが
含まれているのでは、と察しました。

次回は仕上げ塗りです。

K 6月25日 仕上げ塗り

 本体仕上げ塗装の前に、#600のサンドペーパーで
 表面を整えます。

 その後、下塗りと同様、竿をモーターで回しながら
 ウレタン塗料を刷毛塗りします。

 塗料が乾くまで数日の時間が必要となりますので、
 この日の作業はこれで終わり…
 ではありません。それでは時間が無駄になります。

 実は、桶川さんのお嬢さんはF・F・Woman 。

 お父上が竿作りをしていることを知り、ぜひ自分にもとの要望があり、

 桶川さんは大いに奮起。そこで「7’2”#4、2ピースロッド」の
 製作を思い立ちます。

 なぜ7’2“#4の竿なのか?理由はお嬢さんの名前に
 由来するとのことですが、ここでは詳しくはいたしません。
 なにせ究極の個人情報ですので。

 そんな訳でこの後の時間は、以前割いておいた竹を
 物置から取り出し、作りたい竿の寸法に合わせてカット。
 節をヤスリで削り取り、新たな竿作りの準備をします。

 次回はいよいよガイドの取り付けです。
 スレッドを巻いて取り付ける作業ですが、
 これはてこずりそうです。
 桶川さんには頑張っていただきます。



L7月2日 ガイドラッピング

 いよいよガイドの取り付けです。

 下準備としてスネークガイド、バットガイドの脚の先端部分を
 小型の金やすりで整えます。

 次に、スネークガイドはネジレや傾き具合を調整し、取り付けた時に
 それぞれが左右不揃いにならないようにします。

 このスレッドでガイドを巻き止めるという作業は、初めての方には
 なかなかやっかいなものです。

 今回も桶川さんには、あらかじめご自宅で練習を
 して来ていただきました。

 それでも本番となるとやはり緊張するのか、
 巧く巻き止めることができなかったり、隙間が生じたり、
 あるいはガイドを乗せる面がズレていたりと苦労の連続ですが、
 そこは努力が身上の桶川さん。ひとつひとつ着実にこなしてゆきます。

次回は、ガイドを巻き止めたスレッド部分に、一回目の塗装として

エポキシ系の塗料を塗っていきます。



M  7月9日
 
ガイドフット部等に巻きつけたスレッドに、1回目の塗装をします。

このガイドを巻き止めたスレッド部に施す塗装は数回行いますが、
1回目は、エポキシ系塗料を使います。理由は、この塗料が
硬化するのに長時間を必要とすることです。

時間がかかることによって、スレッドへの塗料の浸透がしっかり
行われ、かつ本体との密着度が高まります。
但し、この塗料は2液混合タイプで、A・B液を混ぜ合わせた後、
10?15分程度放置してから使用することを忘れずに。

今回も、この作業の後には時間がありましたので、次の竿の作業
準備をしました。



N  7月16日

ガイドフット他にスレッドでラッピングした部分に、
エポキシ系塗料にひき続き、今回はウレタン一液性塗料を
塗装します。


O  7月23日

前回同様、ガイドフット部他にウレタン塗料を塗り、
その後は、2本目の竿(7’2“#4)の製作を続けます。

P  8月4日

前回までラッピング部分に塗装したところを研磨。
その後、仕上げ塗りをしました。

およそ4時間後、塗料の乾燥を確認し、リールシートを接着。
ついに完成です。

6フィート6インチ、#3ロッドを抱え、成し遂げた、という思いに
満たされた笑顔の桶川さんです。

おめでとうございます。